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島田荘司『帝都衛星軌道』 

帝都衛星軌道 (講談社ノベルス)帝都衛星軌道 (講談社ノベルス)
(2008/08/07)
島田 荘司

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(単行本は2006年刊)
   

「客観的」評価 :★★★☆☆☆☆☆☆☆
   偏見評価 :★★☆☆☆☆☆☆☆☆
  キーワード :恨み節

     本格度 :★★★
     ロジック :★★
     トリック :★★★
     意外性 :★★
     緊迫感 :★★★★
    読み易さ :★★★★

<あらすじ>
「よって池袋までが勝負だ。たった今、新大久保、高田馬場、目白、池袋の各駅のホームに、二名ずつの刑事を急行させた」
 都内で起きた誘拐事件! 犯人は身代金の受け渡し先に山手線車内を指定した。完璧と思われた包囲網を突破した犯人。そして事件後、母親は謎の失踪をとげる!
 衝撃の結末があなたのを待つ!
(カバー折り返しより)

  
  
 初読。
 計二本の中篇収録。「帝都衛星軌道」という中篇の前編、後編の間に「ジャングルの虫たち」という中篇(この長さは短編か?)が挿入されている。


「帝都衛星軌道」
 これはひどい。犯人はどのようなトリックは弄したのか、犯人が子どもを誘拐した理由、不可解な母親の失踪の理由。この三点が前編で示される謎です。

・トリック
 何も驚きがない。確かに答えを言われるまでわからなかったけど、東京の地理に詳しくないのでわかる訳がない(それともアレは日本人の常識なのか?)。そもそもアレについて、知っていても知らなくても、このトリックはショボい。島田荘司らしい豪快なトリックを期待したんだが……。

・犯人が子どもを誘拐した理由
 やむにやまれぬ理由ということになっているけど、何でそんな手段に訴えるんだ。身勝手すぎるし、普通に、平和的に交渉したほうが明らかに成功率は高いだろ。犯人が正義漢として描かれているのが不快だった。これでは単なる独りよがり。合理性も必然性もなし。

・不可解な母親の失踪の理由
 トリック、犯人の理由以上に有り得ない。こんな人間いるのか? 不自然過ぎる。無理やり過ぎる。下らな過ぎる。父親の方も最後に納得するなよ。登場人物は全員非常識な人間だ。


「ジャングルの虫たち」
 小さな詐欺の手口がいくつか描かれている。他に仕掛けか何かあれば良かったんだけど、それがないので、ケチな詐欺話で終わっている。
  
 
  
 両篇に共通するのは日本社会、日本人に対する批判。作者はミステリよりも、批判の方が書きたかったんじゃないかな? (帯に「本格ミステリの最高峰」なんて書いてあるけど、それこそ詐欺だろ。テキトーなことやってると、読者が愛想尽かすよ? ○談社さん。)
 しかしその批判も、少なくとも二十代である自分にはピンとこなかった。二、三十年前なら多少の共感も得られたのかもしれないけど、今これを書く必要はないのではないか。これでは、単なる、過去を思い出しての恨み節だ。
 それに島田荘司が思っているほど、日本社会と(大多数の)日本人は、馬鹿でも愚かでもないと思う。読者を馬鹿にしすぎ。思い上がっているのはむしろ島田荘司の方では? (それとも思い上がっているのは自分か?)

 これからの島田荘司に失望する衝撃の一冊だった。

<印象文章>
 そう思うと、はじめて涙があふれた。

(書評:6)

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